昨日・一昨日と、住宅事業者向けの勉強会に参加してきました。

一昨日はホームインスペクターズ協会の長嶋修会長直々に、
宅建業法改正でホームインスペクションが位置づけられた
ことに関する解説でした。

法律を制定した国の思惑や
ホームインスペクション先進地である欧米の動向などをもとに
日本におけるホームインスペクションのあり方に話しが及びました。

その中で興味深かったのが、国の方針の変遷と
中古住宅売買における責任の所在について。


現在の日本におけるホームインスペクションの目安になるのが、
国土交通省が2015年に出した
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」。

このガイドラインでは、中古住宅の売買において
万一建物に欠陥などがあった場合の責任は買い手にある
というスタンスで捉えられていました。

要は「買い手責任」なので、買主が自己防衛のために
自らホームインスペクション(住宅診断)を依頼すべし、
ということになります。

それが、今回の宅建業法改正や最近の既存住宅瑕疵担保保険では、
売り主が負うべき責任を保険などで緩和する
という考え方になっています。

でも、欧米などのインスペクション先進国では
売り手責任に基づくインスペクションを制度化しても、
・売り手が行ったインスペクションを買い手が信用しない
・売り手と仲介業者、インスペクターの間に癒着が起きた

等で普及せず。

結局、買い手責任の考え方のもとに、
ホームインスペクション制度が見直されたのでした。


新築住宅であれば、売り手はプロの建築・不動産業者ですから、
売り主責任ということで良いのでしょうが、
中古住宅では売主は一般の個人の方が多くなります。

一般の個人に対して責任を求めるのは難しく、
現にいまの不動産売買における瑕疵担保責任は
 ・新築住宅 10年間
 ・中古住宅 2年(売主が宅建業者)
 ・中古住宅 規定なし(売主が個人の場合)

となっています。

売り主、買い主の気持ちを考えても、
売れてしまえば建物とは縁の無くなる売主よりも、
これからそこで住み続ける買主の方が
建物の品質に対するモチベーションは高いでしょう。

日本の不動産取引が全て欧米式になるとは限りませんが、
人の心理を考えれば、今後中古住宅売買の考え方が
買い手責任へと考え方が変わる可能性は否定できません。

そういう点では、日本のホームインスペクション制度は
まだまだ試行錯誤が続くと言えそうです。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『混乱気味の“ホームインスペクション”?!』
『ビー玉が転がる家は欠陥住宅?!』
『国交省補助でホームインスペクション実地研修行いました』



テーマ:住宅・不動産
ジャンル:ライフ
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