昨日、住宅ローンのご相談の中で、
「無料で八大疾病保障保障付の団体信用生命保険(団信)が
 付く銀行がありますが、これってどうなのですか?」

とのご質問がありました。


通常の団信は死亡と高度障害だけが対象のところ、
金利上乗せなしで“8つ”も保障が上乗せされると聞くと、
すごいおトク感がありますよね。

でも、草野は八大疾病保障付団信をお勧めすることは
ほとんどありません。それはナゼでしょう?

八大疾病保障付の団信と言っても、
扱う金融機関や保険会社によって中身は違います。

そこで、ここでは代表的な例として
住信SBIネット銀行を中心にご説明します。


団信には、大きく下記の種類があります。

 ・一般団信  死亡・高度障害
 ・ガン団信  死亡・高度障害+ガン
 ・三大疾病  死亡・高度障害+ガン・心筋梗塞・脳卒中
 ・八大疾病  死亡・高度障害+ガン・心筋梗塞・脳卒中・
         高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎


ご覧のとおり、八大疾病保証付団信の魅力は、
保障の対象となる疾病がとても広いこと。

ただ、いくら保障の幅が広くても、
保険金が下りる条件=実際にどれくらい保障を使う可能性があるか
によって、評価は分かれます。


住信SBIネット銀行のホームページを見ると、
保障の対象となる条件は下記のように記載されています。

『3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
 または5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、
 肝硬変、慢性膵炎)により(中略)所定の就業不能状態となり、
 その状態が継続し、ローンの約定返済日が到来した場合、月々の
 住宅ローン返済金相当額を、保険会社よりお客さまにお支払いし、
 毎月の返済額に充当されます』


と言うことで、死亡・高度障害にならなくても、8つの疾病に罹り
就業不能な状態が続くと、“1年間は毎月の返済額が保障”されます。


では、住宅ローンの残債全てが
一括返済されるのはどのような場合かというと、次のようになります。

『3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
 または5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、
 肝硬変、慢性膵炎)により(略)就業不能状態となり、その
 状態となった日からその日を含めて12ヵ月を経過した日の
 翌日午前0時までその状態が継続した場合』


と言うことで、8つの疾病全てにおいて
“就業不能状態が1年経過”しないと、
住宅ローンの残高がゼロとならないのです。

ガンや心筋梗塞、脳卒中であれば、症状によっては
就業不能状態が1年以上続くことも珍しくないでしょう。

でも、高血圧症や糖尿病などでそのような状態になることは、
一体どれくらいの確率でしょうか?

これらの生活習慣病は、日常生活を気をつけ
定期的な健康診断を受けることで、1年以上も就業不能になるほど
症状を悪化させることは防げるのではないでしょうか?


また、三大疾病保障については、
所定の状態になれば1年の就業不能状態を待たずして
保険金が全額下りる金融機関や保険会社もあります。

でも、住信SBIネット銀行の場合は、三大疾病についても
就業不能状態が1年続くことが保険金が全額下りる条件となっています。

そういった点では、住信SBIネット銀行の八大疾病保障は、
対象となる幅は広いものの、使える場面は限定的と言わざるを得ません。


そうは言っても、保障が無料で付いてくるなら
損はしないんじゃないの?と思う方もいるでしょう。

そこで、住信SBIネット銀行の3月の金利を見てみると
変動金利タイプ0.65%、10年固定タイプ0.85%、
35年固定タイプ1.71%等となっています。

これらは、他行で金利0.2%~0.3%程度上乗せすることを考えれば、
八大疾病保障付団信の住宅ローンとしては悪くはない金利であり、
もっとハッキリ言えば最低水準となっています。

(ちなみに、保証料がかからない代わりに手数料が
 借入金額の0.2%+消費税がかかる点はご留意下さい)


ただ、中には無料でガン団信がついたり、
割安に三大疾病保障を付けられる金融機関もあります。

そういった金融機関を選ぶ方が、
あまり実用性の高いとは言えない八大疾病保障を付けるよりも
金利も含めてトータルでメリットが出る可能性があります。

“八大疾病”“無料”というセールストークに目を奪われず、
冷静に内容を比較検討して判断したいところですね。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『“運”を味方につける住宅ローンの選び方』
『年の途中でフラット35から借り換えたら、団信特約料はどうなる?』
『意外と大きな出費 住宅ローンの保証料』


テーマ:住宅ローン
ジャンル:ファイナンス
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック