昨日は、住宅の長寿命化リフォームに関する
シンポジウムを聞いてきました。

一般社団法人・住宅リフォーム推進協議会の主催で
「住宅リフォームにおける、インスペクションの役割」がテーマ。
住宅相談センターの代表・吉田貴彦もパネリストとして参加しています。

今ある大量の空き家(中古住宅)を流通させるには
中古住宅のインスペクションが鍵を握っているものの、
インスペクションや中古住宅の流通はまだまだ発展途上。

それは何故で、どうすればよいのかというお話しです。

基調講演として、首都大学東京の深尾精一名誉教授による
国の取り組みや欧米各国との比較があり、その後、
住宅やインスペクション事業者によるパネルディスカッションで、
インスペクションの実態や改善点のお話しとなりました。


3時間にものぼる話の中には、参考になる点がたくさんありました。

その中で、中古住宅流通を阻害している日本人の“新築志向”についても、
他人のお古を使いたくない“潔癖症”による説明だけではなく、
各者各様の意見が出ていましたので、掻い摘んでご紹介します。


深尾先生は、欧米各国との比較の中で、建築様式の違いと、
そこからくる顧客満足度の方向性を論じていました。

日本の伝統的な構造工法である木造軸組みによる工法は、
柱を自由に配置でき、窓などの開口部を大きく取れるため
間取りの自由度が大きいのが特徴となっています。

そのため、施主は間取りの独自性を求め、
住宅会社もその期待に応える技術を構築し、
日本の住宅業界は巨大な産業となりました。

が、それが逆に個々の住宅の汎用性を下げ、
商品としての流通性を下げてしまったというもの。

要は、個性的な住宅は、おカネや手間をかけて作っても、
購入希望者が見つかり難いため、売りにくいということです。

そういう点では、比較的間取りが均質なマンションの方が
中古として流通しやすいと言え、中古住宅の流通という点では、
あまり凝った家を建てないほうが良いという考え方になります。

「世界で一軒だけの我が家」とは対極的と言えます。


また、日経BPインフラ総合研究所の安達功上席研究員は、
家の購入後のメンテナンスへの考え方から、次のように論じています。

新築住宅を購入すれば、数年間はメンテナンスの必要は高くありませんが、
中古住宅の場合は、購入時に行うリフォームの程度によりますが、
継続的にメンテナンスが発生する可能性があります。

そのため、中古住宅志向の人は家のメンテナンスを厭わず、
むしろ住みながら自分たちに合った家にしたいという傾向があり、
新築住宅志向の人には、購入後は家に手を掛けたくないという傾向が窺えます。

アメリカなどでは、中古で購入した家を自分で住みながら
DIYして付加価値を付け、高く売却するということも珍しくありません。
家や暮らし、DIYなどに対する国民性の違いが垣間見えます。


お二人のお話しからすると、中古住宅流通の活性化のためには
日本人に染み付いた価値観を変えることが必要ということになります。

インスペクションによる適正な評価や不動産取引の改善といった
仕組みの整備よりも、そちらの方が難しそうです。

逆に言えば、顧客ニーズが変われば業界の仕組みも変わりますから、
消費者の価値観を変えることが早道と言えるかもしれませんね。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『将来、売却しやすい土地や建物』
『中古住宅(既存住宅)流通活性化の動きが加速!』
『ホームインスペクションの普及で、住まい方が多様になる?!』


テーマ:住まい リフォーム
ジャンル:ライフ
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2013/11/29(Fri) 01:05:15 |