先日、ある調査機関から住宅の快適性やエコにおける
業界の現状や消費者ニーズについて、電話でヒアリングを受けました。


このところの認定低炭素住宅のスタートや省エネ基準の見直し、
少し遡って住宅エコポイントなど、国の政策では
住宅の省エネや性能見直しの動きが続いています。

でも、実際の現場ではどうなのか? また、今後の動きはどうなるのか?
といった主旨で、時間は60分ほど。

家づくりのコンサルティングとはどんな仕事?
というところから始まり、話題は多岐にわたったのですが、
草野はおおよそ次のようなことをお話ししました。


現在の住宅業界では、住宅のエコへの取り組みには
大きく2つの流れがあります。

一つは、太陽光発電などの創エネ機器や、LED照明などの省エネ機器、
さらにエネルギーを監理するHEMSといった
設備機器を活用してエコを実現するという流れで、
いわゆるスマートハウスを目指すという考え方になります。

もう一つは、気密・断熱性などの住宅そのものの性能を上げることで
エコを実現するという流れで、設備機器に頼らないという点では、
パッシブソーラーなど、自然エネルギーを活かそうという面も併せ持ちます。

どちらかといえば、前者は大手ハウスメーカーが得意とし、
後者は地元工務店(の一部)が得意としています。

言い換えると、大手ハウスメーカーの住宅は
そこそこの性能なので設備機器に頼らざるを得ず、
高気密高断熱に特化した工務店の住宅の方が、
はるかに高い性能を持っているのです。


・・・というお話しをすると、
「エッ?! ハウスメーカーの方が高性能な住宅じゃなかったの?」
と多くの人が驚くのですが、ハウスメーカーの家づくりを考えれば、
至極当然のことと言えます。


ハウスメーカーは、住宅を伝統的な職人による手づくりから、
自社で工場を持ち、大量に高品質な家を供給することで
“工業化住宅”に変えました。

でも、大量に販売するためには、マーケティング上たくさん売れる商品、
つまり、万人受けする家を商品化せざるを得なくなります。

そのため、あまりニーズの多くない、
超高気密・高断熱の住宅は手がけていないというワケなのです。


ただ、ハウスメーカーの住宅が超高気密高断熱ではないからと言って、
低レベルという訳ではなく、気密断熱性においても一定の性能を持ち、
さらにそれ以外の部分においても一定の水準をクリアしています。
いわば、ソツなくすべての分野で及第点を取っていると言えます。

これを逆に言うと、普通の人にはそれで十分で、日本の消費者の多くは
超高気密高断熱住宅は求めていない、ということになるかもしれません。

もう1つ補足すると、
工務店で建てた住宅が全て高気密高断熱という訳ではなく、
高気密高断熱を得意とする会社でないと、
ごく普通の性能の住宅しか建たないということもあり得ます・・・


ヒアリングは、さらに
「どうすれば消費者の意識が変わって、
 エコな住宅が普及していくのでしょうか?」
との話しになっていきました。

消費者の中には、イニシャルコスト(建築予算)よりも
ランニングコスト(維持費や光熱費)を抑えたい、
という人もいらっしゃいますが、どちらかと言えば少数派。

国は2020年には省エネ基準の適合を義務化する方針。
そういった政策によって、消費者の意識も変わっていくのかもしれません。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『認定低炭素住宅の注意点』
『開かない扉?! 高気密高断熱住宅の気密測定』
『決して特別ではない“ゼロエネルギー住宅”』

テーマ:家を建てる
ジャンル:ライフ
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