昨日はホームインスペクター(住宅診断士)の勉強会でした。

今回は、不動産鑑定士西村研二先生にお越しいただき、
「インスペクションレポートと不動産鑑定」
をテーマにお話しいただきました。


不動産鑑定評価というのは、大雑把にいうと
ホームインスペクション(住宅診断)と同じように
不動産の価値を調べることですが、
インスペクションとはかなり趣きがことなります。

インスペクションは、主に個人間の不動産取引の際に、
売買するかどうかを判断する材料として行うもの。

それに対し不動産鑑定評価は、
相続時などの財産評価、公的な地価指標の作成、
企業の資産管理のための価値把握など、
売買以外の場面で行われるケースがほとんど。

個人間売買では交渉で価格が決まるため、
手間ヒマかけて鑑定評価を取る意味があまりないからです。


ちなみに、不動産鑑定評価というのは独占業務のため
不動産鑑定士の資格がなければ行うことができず、
不動産売買の際に宅建業者が行う“査定”とは別物です。

それは、不動産鑑定評価には
法的責任が伴うということでもあります。


とは言え、不動産鑑定評価とインスペクションでは
調べる内容にも共通する項目が多く、
鑑定評価の基礎資料となる「エンジニアリングレポート」では
下記のような項目を調査します。

 ・建物状況調査
   立地調査、建築・設備概要、
   更新・改修歴及び更新・改修計画

 ・建物の調査
   外構、屋上、外装、内装、躯体、給排水衛生設備、
   空気調和設備、防災設備、その他特殊機器

 ・遵法性調査
   都市計画法、建築基準法、消防法等に適合しているか、
   届け出等の手続き状況など

 ・建物環境リスク評価
   土壌汚染、アスベスト・PCB・フロン、地震リスク


こういった調査を踏まえて不動産の経済的価値を評価するので、
インスペクションと業務を分担することができれば、
人的にも費用的にも相乗効果が生まれそうな気がします。


ただ、不動産鑑定評価とインスペクションでは
そもそも業務の目的が違い、法的な責任の重さも違うなど、
現時点では十分な連携は難しいのでは?
というのが西村先生の見解。

とは言え、社会的にインスペクションを普及する機運が高まっており、
不動産鑑定士側でもインスペクションに対して
協業体制を作ろうとの動きがあるとのこと。

今回の勉強会もそうした動きの一つになる訳で、
これから数年で不動産をとりまく環境が
大きく変わる可能性があると言えるでしょう。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『固定資産税は下げることが出来る?!』
『インスペクションと施工監理 建築士のスタンスは変わる?』
『ホームインスペクションと公的検査の違い』

テーマ:住宅・不動産
ジャンル:ライフ
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2012/11/03(Sat) 17:32:42 |