昨日、ある工務店の社長さんとお話しした際、
こんなお言葉がありました。

「お施主さまのことを考えコストダウンを進めていったら、
 以前より1割以上も金額が下がった」


草野も最近、あるご相談者のコンサルティングの際に
この工務店の図面や見積を拝見したのですが、
仕様がよいわりに価格が低いことが強く印象に残っていました。


コストダウンというと、建材の仕入れや
下請けへの支払いを値切るというイメージがありますが、
この工務店さんは決して無理な値引き交渉はしていません。

その証拠に取引先や下請け会社とは
これまで通りのおつきあいをされているそう。

そのかわり様々な努力をしているのですが、
その一つが見積の作成方法について。


一般的に工務店の見積というと、
一項目ずつ細かく数量と単価を拾って
積み上げていくイメージがあります。

それに対して、一部のハウスメーカーや工務店では、
ざっくり“施工面積×坪単価”という
一式見積で契約することも珍しくありません。

そんな手間を省いた“どんぶり勘定”では、
不要に高い金額になってしまうという話しも聞きますし、
契約後のトラブルの原因にもなりかねません。


でも、今回お話しをした工務店は、
コストダウンのために、敢えて見積作成を簡素化したのだそう。
見積作成の手間を省いて人件費を浮かせたというワケ。

従来の積み上げ式の積算だと、一つ一つ数字を拾い、
仕入れ先や下請けからの見積を取りまとめなければいけないうえ、
プランに変更がある都度、関係個所全てを修正しなければいけません。

そこで、施工面積×坪単価で本体価格を算出し、
それにオプション工事を加算するという方式に変更したのです。


一見、工務店らしからぬようですが、
“どんぶり勘定”と違うのは、あらかじめ使用する建材や
設備の仕様を決めており、それを明示している点。

もともと仕様自体を高めに設定しているため、
あとから仕様変更による増額がほとんどないだけでなく、
同じものを大量に仕入れるため仕入れの単価も下がり、
二重のコストダウンが図れているのです。


工務店の良さの一つに、モノ決めの柔軟性があるため、
仕様が決まっていることに抵抗を感じるかもしれませんが、
当然、仕様外のものを選ぶこともできます。

そして、標準仕様を決めることで、
その工務店のテイストも明確になります。
施主にとっては“見学会で見たお宅と同じモノ”なので、あとから
“イメージと違う”といったトラブルも起こらないのです。

さらに、この工務店では建物本体価格とオプション工事以外に、
付帯工事や諸費用など、家づくりの総額がいくらになるかも
提示しているので、契約後に予算オーバーになることはありません。


“どんぶり勘定”が怖いのは、
どんなものが出来上がるのか分からないという点と、
見積金額が不透明で不当に高くなる点。

それらが解消され、コストダウンというメリットがあれば、
施主にとっては歓迎すべきこと。

“施工面積×坪単価”の一式見積が出てきたら、
なぜそのような見積方式を採用しているのかを聞いて、
単なるどんぶり勘定なのかどうかを見極めたいところですね。

もし、明確な回答がなければ、交渉次第で大幅値引きが出たり、
逆に契約後に増額などのトラブルが起こるかもしれませんヨ。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『表面的な金額の安さに惑わされないように』
『プランや見積提案が有料の住宅会社』
『住宅会社を決める際に最低限必要な材料は?』

テーマ:住宅・不動産
ジャンル:ライフ
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