本日、ご相談者から
住宅の地震対策についてのご質問がありました。

昨年の東日本大震災で関心が高まっており、
名古屋地区ではいつ東海地震が起こってもおかしくないので、
よく同様のご質問をお受けします。

そこで、住宅の地震対策として、
「耐震」「免震」「制震」の特徴を簡単にまとめてみました。


耐震というのは、文字通り地震に耐えるように建物をつくること。

ようは、壊れないようにガッチリ頑丈な建物にするということで、
一番オーソドックスな方法で費用も安価です。

現在の建築基準法に定められた耐震基準なら、
震度6強から7程度の地震に耐えるように設計されており、
これは関東大震災級の揺れでも倒壊・崩壊しないと言われています。

阪神大震災では、死因の84%が家屋の倒壊等による圧死でしたので、
昭和56年以降の現在の耐震基準を満たした建物であれば、
それなりに安全であると言ってもよいでしょう。


ただし、建築基準法は最低限の基準であり、
人命が損なわれないことが目標なので、人命が助かっても
建物が損傷して住めなくなることはあり得ます。

そのため、耐震性に不安があるなら、さらにレベルの高い基準として、
住宅性能評価表示制度における耐震等級を上げることも可能です。
(建築基準法=等級1、基準法の1.25倍=等級2、1.5倍=等級3)

とは言え、耐震では地震の揺れがモロに建物に伝わってしまうため、
建物は揺れに耐えても、部屋の中の家具などが倒れて、
中にいる人が怪我をする可能性もあります。
そこで考えられたのが免震という技術です。


免震というのは、地震の揺れを建物に伝えないという考え方。

そのために、建物と土台の間にゴムやバネ(ダンパー)、ベアリングなどの
「免震装置」を入れて、地震の揺れを吸収するようにします。

建物自体が揺れないため、理屈上では一番効果が高いと言えますが、
 ・装置が大型でコストがかかる
 ・横揺れには強くても縦揺れには効果が低いことがある
 ・規模の小さな地震では装置が反応しないことがある
 ・建物が地面に対して横に動くため、敷地の広さに余裕が必要

といったデメリットもあります。

特にコストが1棟あたり300万円程度と高いため、
阪神大震災のあと一時期注目されましたが、
現在では採用件数も伸び悩んでいるようです。


そこで、免震に変わって伸びているのが制震です。

制震というのは、建物に伝わってきた
地震の揺れを軽減させる(制御する)という考え方。

そのために、柱や梁・壁面など建物の構造に
ゴムやオイル、バネなどの「制震装置」を取り付けます。

装置自体が小型比較的簡単に施工でき、その分コストも低いので、
1棟あたり数十万から100万円程度で設置でき、
大手ハウスメーカーの中には標準で採用しているところもあります。

とは言え、制震は揺れを軽減させるだけなので、
地震が起これば建物は当然揺れます
過信せず、家具などが転倒しないような対策は必要です。

また、ツーバイフォーや木質パネル工法、鉄骨ユニット工法といった
面で支える剛構造の建物ではそもそも揺れにくいため、
制震装置を設置してもあまり効果が高くないとの説もあります。


以上となります。

耐震だけでもそれなりの性能はありますが、
より安心感を求める場合、コストのことを考えると
制震を採用するというのが一般的だと言えそうです。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『大手ハウスメーカーの建物なら、地震保険は不要?』
『液状化の実態から見る、事前の対策と事後の補修』
『シロアリ、耐震性・・・ 木造住宅は不安?』

テーマ:地震・災害対策
ジャンル:ライフ
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