本日の日経新聞朝刊1面トップに、
『住宅ローン金利 最低水準』
との記事がデカデカと出ていました。

▼▼日経新聞 平成24年6月12日付朝刊▼▼
日経新聞120612


「金融機関が住宅ローン金利の引き下げを加速している」
として、三菱東京UFJ銀行とりそな銀行が
今月から10年固定の優遇金利を1.4%に引き下げたことを挙げ、

「住宅ローンの利用者は長期にわたって顧客として囲い込めるため、
 金融商品の販売などローン以外の分野でも相乗効果を見込める。
 利用者からみても、住宅ローン金利が下がれば、返済額を減らせる」


と前向きな表現をしています。

でも、これって1面トップで報道するほどの内容でしょうかねぇ・・・
しかも、トップに掲載させるためなのか、論旨に少々違和感が。


今回の記事では、低金利競争が変動金利タイプから
固定金利タイプに広がってきた理由を

「住宅金融支援機構の優遇措置(※注:フラット35Sの1.0%)が
 縮小したことで、民間金融機関にとって住宅ローン事業は数少ない
 安定した収益を見込める有望分野になっている」


と、住宅金融支援機構のフラット35Sとの対立軸で説明しています。

そうした面も確かにあるのでしょうし、
対立軸を描く方が分かりやすいのでしょうが、
ことはそんなに単純ではない気がします。

銀行にとっては固定金利タイプより変動金利タイプの方が
現在の金利は低くても、将来の金利変動(逆ザヤ)リスクが全くなく、
実際に一番利用の多いのは固定金利タイプではなく変動金利タイプです。

そもそも返済当初10年間だけ金利が決まっている10年固定と
返済期間中ずっと金利が決まっているフラット35では、
「固定」という文字が入っているとは言え、まったくの別モノ

10年固定はフラット35と同様、金利上昇リスクの
全くない住宅ローンという誤解を生んでしまうかも?!


もう一点、現在の低金利を強調するために
「三菱東京UFJ銀行とりそな銀行は6月から、10年物の
 固定金利を民間銀行では過去最低の年1.4%に引き下げた」

とあります。

でも、名古屋地域だけかもしれませんが、地銀や信金などでは
以前から10年固定の優遇金利が1.4%を切ることは時々あります。
(今月も東春信用金庫の優遇金利は1.35%です)

ですので、恐らく「民間銀行では過去最低」というのは、
「メガバンクでは過去最低」ということでしょうか。


こうまでして1面トップにこの記事を持ってきたのは、
「余裕資金を新たな消費や借入れに振り向け、
 経済が活性化する効果も期待できる」

との結びの文章にある通り、景気刺激を狙っているのかも?!

そんなことを思ったのですが、
インターネットでこの記事について検索をしていたら、
あるブログに何やら違う話が出ているではありませんか。

そのブログには日経新聞の記事の画像があり、
その記事の最後にはこんな文章があるのです。

「だが日銀によると、国内の住宅ローン残高は07年6月に
 約188兆円5000億円に達した後、減少傾向が続いている」

「雇用や所得の環境が厳しいなかで、個人が新たに借り入れる
 余地は狭まっている。日銀の調査によると、所得低迷で手取り
 収入に対する借金の返済額と残高の比率は、いずれも過去
 10年で最高に達している」

「個人ローン市場の縮小に歯止めがかからないなかで、低金利競争
 だけが加熱すれば、金融機関の採算は悪化する。日銀の調べでは、
 住宅ローンの利ざやは大手行で0.1%程度で、さらに競争が激しく
 なれば「逆ざや」になり、銀行の収益を圧迫する恐れがある」


低金利バンザイ!ではなく、冷静に締めくくっています。

エリアによって記事を変えているようですが、
どうしてでしょう? 日経新聞さん?!


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『2012年6月の住宅ローン金利』
『加熱する住宅ローン低金利競争 金融庁が全国の銀行を検査』
『日経新聞“住宅ローン 低金利競争”異例の年0.7%も』

テーマ:住宅ローン
ジャンル:ファイナンス
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