建築家との家づくり。
以前は、一般的な人にとって縁遠い印象があったと思います。

でも、最近は建築家との家づくりが
日常的にテレビで放映されるようになり、
敷居も低くなってきました。

「匠(たくみ)」とか「まあ、なんということでしょう!」
というフレーズは、ちょっとした流行語にもなりました。


建築家との家づくりを世に広めた、これらのテレビ番組。

でも、功罪の“罪”を感じてしまうご相談が
ここ数日間で、立て続けに2件ありました。


1件目は、先週末のご相談から。

これから家づくりを進めようということで、
ご要望の整理と住宅会社の選定についてお話しをしていたところ。

ハウスメーカー・工務店・建築家と3つある
住宅会社の“業態”の違いをご説明しましたが、
それに対してご相談者からこんな趣旨のお言葉が。

「テレビ番組を見ていて、建築家というと
 アッと驚く仕掛けを考える人というイメージがあり、
 自分たちの家づくりとは違う気がする」



テレビ番組は視聴者の受けを狙うため、
どうしても“劇的”な演出をしがち。

人を驚かせるような仕掛けを付けるのは日常茶飯事。
例えば、流しそうめんの道具がベランダに付いているとか。
いかに仕掛けを組込むかに思慮している印象になってしまいます。

また、より演出効果を高めるためなのか、
施主と建築家との設計打合せもあまりせず、
施主に施工中の現場を見せないよう。

確かに完成時のお披露目で感激する様子は“絵”になりますが、
単にビックリしているだけかもしれません。


本来、建築家との家づくりというのは
じっくり時間をかけて施主の要望をカタチにするものであり、
その中で常識に囚われないアイディアやデザインが出てくるのです。

視聴率を気にするテレビ番組ではやむを得ないかもしれませんが、
「意外性」「ドラマ性」ばかりを追求してしまうと、
建築家本来の良さが見えにくくなってしまい、
ヘンな先入観を植え付けてしうこともあるでしょう。


でも、テレビの影響力というのは凄いものがあり、
「匠」として出演した建築家には、
設計の依頼がひっきりなしに来るのだとか。

それが、本日いただいた
2件目のご相談のようなトラブルを引き起こすことも。

簡単にまとめると、次のような内容。

「テレビに何度も出演している建築家に設計を依頼し、
 新居も完成したが、入居後数年で雨漏りがした。
 施工した工務店が倒産していたので、
 建築家に何とかしてほしいと言っても
 木で鼻をくくったような態度で困っている」



設計を依頼する側は、テレビに何度も出ているから安心だろう、
と思うかもしれませが、テレビ局がその建築家の設計に対して
保証するわけではありませんし、そもそも出演にあたって
審査をするなど、何らかの基準がある訳ではありません。

むしろ、テレビ局側は出演する建築家を探しているようで、
草野のまわりでも何人かの建築家から
出演のオファーがあったと聞いたことがあります。

でも、一回でもテレビに出ると、業務の質に影響がでるほど
問い合わせが殺到することがあるため、
敢えてオファーを断る建築家も少なくありません。

何度もテレビに出ている建築家というのは、
仕事が多すぎて丁寧さに欠けるとか、
対応がぞんざいになることもあるのかもしれません。

テレビや雑誌に多数出演している有名建築家だと、
選ぶ時に他の建築家と比較検討しにくい
という面もあるでしょうから、そういう建築家ほど、
慎重に選ばないといけないのですね。


建築家との家づくりを世に広めるという点では
一定の役割を果たしているテレビ番組ですが、
功罪両面併せ持つことを知っておいて下さい。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『そのデザインには理由がある! 建築家の設計した家』
『デザイナーズ風住宅と建築家住宅は違う?!』
『施主から見た建築家との家づくり ~入居3週間のご感想より』

テーマ:建築デザイン
ジャンル:学問・文化・芸術
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