地盤保証があっても安心ではない?! 弁護士の講演より
昨日は、住宅・不動産分野の弁護士として著名な、
匠総合法律事務所
の秋野卓生先生の講演を聞いてきました。
愛知県建設産業協会主催の研修会で、テーマは
「住宅建築のトラブル回避のポイント」。
最新のトラブル事例を法的に解説するというもの。
昨年から全国で施行された「暴力団排除条例」や、
福島の原発事故に関連した放射能汚染の関係など、
“旬”の事例をはじめ、いくつかのテーマをお聞きしました。
その中に「地盤改良と産業廃棄物/瑕疵担保責任との関係」
との事例がありました。
東日本大震災での液状化被害により、
地盤改良の重要性がクローズアップされています。
でも、地盤改良には法的な注意点や落とし穴もあるのです。
例えば、住宅会社はよくこんなトークを使います。
「地盤については、地盤保証会社が保証しますので、
この地盤改良方法で大丈夫です」
でも、地盤保証にはさまざまな免責特約があり、
「地盤が液状化して建物に被害があった場合は免責」とか
「建物が不同沈下しても、規定以下の傾きなので免責」など、
保険金が支払われないケースも多いとのこと。
ほかにも、入居後に太陽光パネルを設置し、
その後に地盤沈下した場合は、
「新築当初よりも建物が重くなったため免責」
ということも起こり得るとのこと。
地盤保証の対象外になった場合、
地盤改良工事を行った業者が損害賠償してくれるかというと、
そんなことはありません。
どのような地盤改良工事を行うかの判断は、
設計者(工務店や建築士)が行うのであり、
地盤改良業者はそのためのデータを提供する補助者に過ぎない
というのが法的な見解なのだとか。
なので、「地盤改良業者(地盤保証会社)が大丈夫と言っている」
と言う住宅会社は、設計に対する姿勢が問われることになります。
何ごとも「○○が言ったから」というのではなく、
自己責任ということですね。
ちなみに本項のメインテーマ「地盤改良と産業廃棄物」というのは、
地盤改良された土地を売却するとき、
地中に残された杭などは産業廃棄物と判断されるので、
売主が責任をもって撤去する必要があるという内容でした。
ほかにも色々な事例が紹介され、大変勉強になりました。
▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『土地の瑕疵担保責任は?』
『施工中の住宅会社の倒産に備えるには』
『安心してリフォームするための「リフォーム瑕疵保険」』
匠総合法律事務所

愛知県建設産業協会主催の研修会で、テーマは
「住宅建築のトラブル回避のポイント」。
最新のトラブル事例を法的に解説するというもの。
昨年から全国で施行された「暴力団排除条例」や、
福島の原発事故に関連した放射能汚染の関係など、
“旬”の事例をはじめ、いくつかのテーマをお聞きしました。
その中に「地盤改良と産業廃棄物/瑕疵担保責任との関係」
との事例がありました。
東日本大震災での液状化被害により、
地盤改良の重要性がクローズアップされています。
でも、地盤改良には法的な注意点や落とし穴もあるのです。
例えば、住宅会社はよくこんなトークを使います。
「地盤については、地盤保証会社が保証しますので、
この地盤改良方法で大丈夫です」
でも、地盤保証にはさまざまな免責特約があり、
「地盤が液状化して建物に被害があった場合は免責」とか
「建物が不同沈下しても、規定以下の傾きなので免責」など、
保険金が支払われないケースも多いとのこと。
ほかにも、入居後に太陽光パネルを設置し、
その後に地盤沈下した場合は、
「新築当初よりも建物が重くなったため免責」
ということも起こり得るとのこと。
地盤保証の対象外になった場合、
地盤改良工事を行った業者が損害賠償してくれるかというと、
そんなことはありません。
どのような地盤改良工事を行うかの判断は、
設計者(工務店や建築士)が行うのであり、
地盤改良業者はそのためのデータを提供する補助者に過ぎない
というのが法的な見解なのだとか。
なので、「地盤改良業者(地盤保証会社)が大丈夫と言っている」
と言う住宅会社は、設計に対する姿勢が問われることになります。
何ごとも「○○が言ったから」というのではなく、
自己責任ということですね。
ちなみに本項のメインテーマ「地盤改良と産業廃棄物」というのは、
地盤改良された土地を売却するとき、
地中に残された杭などは産業廃棄物と判断されるので、
売主が責任をもって撤去する必要があるという内容でした。
ほかにも色々な事例が紹介され、大変勉強になりました。
▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『土地の瑕疵担保責任は?』
『施工中の住宅会社の倒産に備えるには』
『安心してリフォームするための「リフォーム瑕疵保険」』
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