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2011年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年11月

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金利優遇0.7%の“フラット35Sエコ” まもなくスタート

去る9月30日いっぱいで金利1.0%引下げが申込み〆切になり、
本来の引下げ幅0.3%優遇に戻っているフラット35S

国の平成23年度第3次補正予算にて
引下げ幅拡大の予算が計上されましたが、
その詳細が住宅金融支援機構より発表されました。
住宅金融支援機構のHPはコチラ

それによると、金利引下げ幅は9月30日分までの1.0%に対し
0.7%(東日本大震災被災地は1.0%)へ、
0.7%の金利引下げ期間は10年間から5年間へと縮小されています。

が、実際のところは結構ややこしくなっていますので、
以下、詳しく見ていきたいと思います。


今回の優遇措置は
「東日本大震災からの復興・住宅の省CO2対策を推進するため、
 省エネルギー性の優れた住宅について、
金利引下げ幅を拡大」

するというもの。

そのため、従来は耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性、省エネ性
4つのうちどれか一つクリアすればOKでしたが、
今回0.7%の優遇を受けられる性能の要件は「省エネ性」のみとなり、
具体的には省エネ対策等級4を取る必要があります。
長期優良住宅の認定でも可)


なお、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性をクリアした
住宅についてもフラット35Sの優遇を受けることが出来ますが、
そちらの引下げ幅は現行と同じ0.3%となります。

今回、フラット35Sが2種類になったため、
前者(省エネ性で0.7%優遇)を「フラット35Sエコ」
後者(省エネ以外で0.3%優遇)を「フラット35Sベーシック」
と区別することになりました。


また、金利引下げ期間についてですが、これまで通り
性能レベルに応じて10年間と20年間の2種類があります。

フラット35Sエコの場合、20年引下げなら
当初5年間が0.7%優遇、6~20年目までが0.3%優遇となり、
10年引下げなら当初5年間が0.7%、
以降10年目までが0.3%優遇となります。

同じく、0.3%優遇のフラット35Sベーシックにも
金利引下げ期間が10年間と20年間の2種類あり、
20年引下げなら当初20年間が0.3%優遇、
10年引下げなら当初10年間が0.3%優遇となります。

これらを区別するために、20年引下げが「金利Aタイプ」
10年引下げが「金利Bタイプ」と名前がつきました。


・・・う~む。
種類がありすぎて、なんだかよく分かりませんねぇ。。。
ということで、以下、図で整理してみました。

▼▼フラット35S 平成23年度第三次補正予算による拡充策(金利優遇)▼▼
フラット35_H23第3次補正(縮小版)
※クリックすると拡大します

ご覧の通り、性能要件2種類と、引下げ期間2種類で、
フラット35Sが4つに分類されることになりました。

現行の0.3%優遇が“ベーシック”という名前になり、
新たに省エネ住宅に0.7%優遇を行う“エコ”が追加され、
期間20年が“Aタイプ”、10年が“Bタイプ”になったという訳です。


以上のフラット35Sに関する金利引下げは、
第3次補正予算成立後すみやかに実施される見込み。
恐らく11月中にスタートされることでしょう。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『住宅エコポイントとフラット35S優遇再開が閣議決定』
『フラット35S1%金利優遇 申込期限が9月30日に前倒し』
『期間限定の金利1%優遇! フラット35S』

|  |-住宅ローン選び | 15:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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“それが当社の仕様です”と言われたら

先日行った建売住宅のホームインスペクション(住宅診断)の
ご依頼者より、こんなお電話が入りました。

『インスペクションの結果を住宅会社に伝えたら、
 “それは当社の仕様です”
 と言われたのですが、そうなのでしょうか?』


お聞きすると、いくつかあった指摘事項のうち、
防湿シートの欠損(破れ等)についての回答。

「防湿シートは破れているけれども、
 それが当社の仕様なので問題ないし、直す必要もない」


ということなのだとか。


エッ?! ちょっと待って下さい!

防湿シートというのは湿気を防ぐシートです。
隙間があればそこから湿気が入ってしまいますので、
わざわざ防湿シートを施工した意味が無くなります

特に、今回の指摘箇所は浴室の天井裏も含まれていますので、
浴室の湯気がグラスウール製の断熱材や柱・壁などの構造体を
腐らせてしまうこともあり得ます。

それが“会社の仕様”ということは、
防湿シートなど不要という考えなのか、
はたまた本来の性能など満たさなくても
形だけ入っていればよいというのか・・・

まぁ、そんな悪徳業者のようなことは無いと思います。
というのも、ほかの指摘箇所については
しっかり手直しをしてもらっていますので。。。


恐らく、この担当者は営業マンのようなので建築的なことは分からず、
しかも天井裏という見えにくい場所でもあり、
“会社の仕様です”のひと言で押し切ろうとしたのかもしれません。

施工担当者であれば、防湿シートの破れが重要な問題であり、
防湿テープなどを使えば、さほど手間をかけずに
手直しできることが分かってもらえたと思います。

なのでご依頼者には、話しをする相手を
建築のことが分かる施工、もしくはメンテナンス担当者
変えてもらうことをお勧めしました。

さらに念のため、なぜ手直しが必要なのか、
例えばどのような手直し方法があるのかを
書面にまとめてお送りしました・・・


住宅や不動産の現場では、施主が素人であるのをいいことに、
“それが当社の仕様です”“よそでもこんなものです”
といった言葉でクレームを押し切ろうとすることが見受けられます。

もし、そう言われた時は、
どうしてそれが“正しい仕様(施工方法)”であり、
なぜ問題がないのかを説明してもらいましょう。

それができずに、ただ“仕様です”で押し切るようなら、
担当者の無知悪意怠慢である可能性があります。

「プロが言うことだから、きっと正しいのだろう」
と信じることも大切ではありますが、“時と場合”によりますね。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『マニュアルでは全てをカバーしきれない・・・ ハウスメーカーの施工』
『建売でもやっておきたい、施工中のインスペクション』
『建売住宅でもインスペクション(住宅診断)』

|  |-建築現場の注意点 | 16:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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当初期間引下げタイプと全期間引下げタイプ どちらがおトク?

本日はひと組のご相談がありましたが、
あとは予定が空いてゆったり事務作業ができましたので、
住宅ローンの比較シミュレーションを2件作成していました。

住宅ローンの比較は、シンプルなケースもあれば
結構複雑なケースがあります。

本日も、土地・建物全額ローンのケースで金利が同じような
条件だったため、金利以外に“つなぎ融資”か“先行融資”かで
返済総額がどう変わるのか、シミュレーションしました。


また、もう一つのケースでは金利勝負となったのですが、
これが単純にはいきません。

この方、2000万円少々を30年返済・10年固定金利タイプで
借入れされる予定です。

もともとA銀行は当初10年間の優遇金利が1.4%のところ、
実行金利1.3%のメドが立っていました。
B銀行は同じく当初10年間が1.4%ですので、
パッと見たところA銀行の方が良さそうに見えます。

が、実はそうではありません。

どうしてかと言うと、
当初10年間の固定期間終了後の金利引下げ幅(優遇幅)が、
A銀行は▲1.0%、B銀行は▲1.5%なのです。
これを現在の店頭金利に当てはめてみると、
11年目以降の実行金利はA銀行が2.1%、B銀行が1.7%と逆転し、
B銀行の方が総返済額で50万円ほど低くなるのです。


これ、住宅ローンの用語で言うと、
A銀行は「当初期間引下げタイプ」
B銀行は「全期間引下げタイプ」
などと呼ばれています(銀行によって呼び方は違います)。

要は、返済当初の引下げ幅を大きくするのか、
返済期間全体を通して引下げを一律に行うのかの違いになります。


たいがいの銀行では、新規住宅ローンが獲得しやすいためか
当初期間引下げタイプが多いのですが、
一部の銀行では全期間引下げタイプも扱っています。

一般的に全期間引下げタイプの方が返済総額は下がりますが、
当初支払う毎月の返済額は高くなります。

でも、差額は今回のケースでは
月額1,000円ちょっと、年額でも12,000円ほど。
返済当初からガンガン繰上返済をするのでなければ、
充分にメリットが出ます。


当初の金利の低さを謳う広告も時々見受けられますが、
目先の金利の低さだけで判断すると、
トータルでは損することもあります。

特に、2年とか3年といった短期の固定金利期間選択タイプの場合、
当初の金利は非常に低いのですが、
その恩恵を受けられる期間が極めて短くなります。

固定期間終了時の店頭金利は、そのときの経済情勢によって
上下するため、目論見どおりにいくとは限りませんが、
住宅ローンを選ぶ際は、当初の金利だけでなく、
固定期間終了後の金利引下げ幅や繰上返済の有無など、
諸条件を含めて判断したいところですね。


なお、このケース、なぜ“単純”ではなかったかというと、
実は、他に当初10年間1.25%、固定期間終了後の
引下げ幅が▲1.25%という銀行があったからです。

さて、どの銀行が一番返済総額が抑えられるでしょう?!


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『店頭金利? 優遇金利? 実行金利?』
『最適な住宅ローンを見極める比較シミュレーション』
『「家賃並みの返済額」には要注意!』

|  |-住宅ローン選び | 20:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マニュアルでは全てをカバーしきれない・・・ ハウスメーカーの施工

本日は気持ちのよい秋晴れのもと、
大手ハウスメーカーによる施工現場の基礎配筋検査でした。

大手ハウスメーカーの施工にはマニュアルがあるため、
通常、著しい施工不良はそうそうありません。

今回の現場もいくつか指摘事項はあったものの、
その場ですぐに手直しをしてもらい、
大きな問題はありませんでした。


が、その際、こんなやり取りがありました。

基礎を配管が貫通する箇所で、
配管を避けるために配筋のピッチが粗くなっています・・・

 検査員「補強が入っているのは分かるんですが、
     もう一本くらい補強筋を入れられますか?」

 監 督「ここも、マニュアル通りなんですよね・・・」


といったやり取りの後、監督さんが職人さんを呼んできました。

 監 督「ここのところ、一本入れてくれるかなぁ」
 職 人「あぁ、ここ? やっぱりそうか。。。
     マニュアル通りやってんだけど、
     ここはピッチが粗くなるから、
     そりゃぁもう一本入れたほうがいいんだよ」


と職人さん。

細かいダメ出しに気を悪くするかと思いきや、
すぐに手直しをしてくれたうえ、こんな言葉も。

 職 人「マニュアルがあるんだから、業者から言っちゃいかんだろう。
     え? 言ってもいい?
     何百件もやってきて、僕らのほうが場数踏んでるからね」


さらに「お客さんのこと考えると、ちゃんとやらんとね」と、
なかなか気持ちの良い職人さんでした・・・


大手ハウスメーカーの場合、たくさんの棟数をこなすため、
工場生産化やマニュアル化を徹底していますが、
数をこなさないといけないため、どうしても
“マニュアルさえ守っておけば、それでよし”
という風潮も否定しきれません。

それで欠陥住宅が出来るという訳ではないのですが、
いかに懇切丁寧にマニュアルを作っても、
敷地や建物形状など、条件が一つ一つ違う注文住宅の現場では、
どうしても現場合わせの施工が出てしまい、
マニュアルでは全てをカバーしきれないのが実際のところ。

より品質の良い住宅をつくるには、マニュアルをベースにしながらも、
いかに現場に合わせて臨機応変に対応するかが求められます。

工業化住宅といえども、いや、むしろ工業化住宅だからこそ、
現場の経験や声を活かして欲しいところですが、
やっぱり元請け・下請けの関係では、
職人さんも思うようには動けないよう。

その中に第三者のホームインスペクションが入ることで、
多少なりとも風通しの良い現場になるのでは?と感じました。


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『テンポ良く進めることが出来る住宅会社は?!』
『営業マンによって変わるハウスメーカーとの家づくり』
『ハウスメーカー選び まずは構造・工法から』

|  |-ハウスメーカー | 20:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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建築条件付土地 土地と建物の同時契約はご法度!

本日は二組のご相談をお受けしましたが、
二組とも建築条件付土地の購入をご検討中という方でした。


この「建築条件付」の土地というのは、
「建物を建築する業者が決まっている土地」のこと。

土地の売買契約後一定期間内(3ヶ月以内など)に、
指定の業者と建物の工事請負契約を締結することを条件に、
土地の売買契約を締結することになります。

つまり、建築条件付土地を購入して注文住宅を建築する場合、

 1)土地の売買契約締結
 2)建物の打合せ
 3)建物の工事請負契約締結


という流れになり、2の建物の打合せの結果
もし、気に入ったプランにならなかった場合は、
土地の売買契約を解除し、土地の代金が返還されることになります。


ここで重要なのは、土地の売買契約と
建物の工事請負契約を同時に行わないこと。
同時に契約してしまうと、
建築条件付の条項での契約解除ができなくなるからです。

でも、実際の取引現場では、土地・建物の同時契約は珍しくなく
本日のご相談者でも、お二組とも契約を急かされていました。

特にお一組の方は、まさに土地と建物を同時契約することになっており、
しかも、建物の打合せは叩き台のプランと概算見積が
一回出てきただけという状態。

これでは、契約後に建物プランの内容変更の可能性、
それも増額になる可能性が高く、もし予算を大幅にオーバーしたとしても
解約するには違約金が発生したり、手付金を放棄する必要があります。

すでに土地も建物も契約で縛られ、
他の住宅会社と比較することもままならない状況ですので、
決してオーバーな話ではありません。


このご相談者には、とにかく土地と建物の同時契約をやめ
建物の打合せを充分に行い、間取が固まり、
仕様・設備もどのようなものを使うのか確認し、
そのプランでいくらかかるかの見積をもらい、
さらに価格交渉まで行い、全て納得できた時点で
建物の工事請負契約を行うことをお勧めしました。

建築条件付土地というのは独占禁止法に基づいた制度であり、
土地と建物の同時契約は、ご法度!

不動産会社や住宅会社は、施主に経験や知識が無いことを良いことに
「皆さん、このようにしていますよ」
と、さもあたり前のように契約を迫りますが、
決してそのような言葉に乗らないようにご注意のほどを!


 ▼▼ 本日のテーマと関係する過去のブログ記事 ▼▼
『住宅会社を決める際に最低限必要な材料は?』
『“とりあえず契約を”と言われたら』
『建築条件付土地 住宅会社の見極め方』

| ◆土地・不動産探し | 20:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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